第二版第2刷の修正箇所について

P75〜77 地球温暖化についてと、P83のCOP17の内容をCOP19の内容に差し替えています。

 

 

第39回となる気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が平成26年4月7日~12日、ドイツ・ベルリンにて開催され、IPCC 第5次評価報告書第3作業部会報告書の政策決定者向け要約 (SPM)が承認されました。

 

第5次報告書と第二版に掲載していた第4次報告書との相違点や修正点としては、

 

・地球システムの温暖化は疑う余地がない。

 

・20世紀半ば以来観測されている温暖化の主要な原因は、人間による影響であることは極めて可能性が高いと第4次報告書 (AF4)より知見が一段と強固になった。

 

・21 世紀末までの気温上昇量は 1850~1900 年の気温(近似的に、工業化以前の気温)から、代表的濃度パス(RCP)シナリオでは、RCP2.6以外のすべてのシナリオで、1.5°Cを超える可能性が高い。

 

・温暖化の熱は、海洋の表面から、深層に浸透し、海洋循環に影響を与えていく。

 

・全球平均地上気温上昇に伴い、ほとんどの陸域で、日々および季節の時間規模において、熱いおよび寒い気温極端現象の頻度が増大することはほぼ確実。 

 

・海面水位の上昇率は、海洋の温暖化の増加や、氷河や氷床からの質量消失により、すべてのRCPシナリオの下で、1971~2010年に観測された値を上回ることは非常に可能性が高い。 

 

・CO2 の蓄積排出量は、21世紀の後期までおよびその後の、全球平均地上気温を主に決めていく。 

 

などで今回の第5次報告書に関して日本は、地球シミュレータを活用した革新プログラムの予測研究などにより、中心的で先端的な貢献をおこなう事ができたようです。

 

 

 

温室効果ガスのストックとフロー及びその排出要因のトレンドとしては、

 

・人為起源の温室効果ガス(GHG)排出量は、1970年から2010年の間にかけて増え続け、10年単位でみると2000~10年のい最後の10年間の排出増加量がもっとも大きい。

 

・1970年から2010年の期間における全GHG排出増加量の78%は化石燃料燃焼と産業プロセスにおけ

る二酸化炭素(CO2)が占めており、2000年から2010年の期間でもそれらがほぼ同じ割合を占めている。

 

・この40年間に排出された人為起源CO2は、1750年から2010年までの累積排出量の約半分を占めて

いる。

 

・世界的には、経済成長と人口増加が、化石燃料燃焼によるCO2排出の増加の最も重要な推進力である状態が続いており、2000年から2010年までにおいて、人口増加の寄与度は過去30年と比べほぼ同じである一方、経済成長の寄与度は大きく伸びている。

 

・2000年から2010年までの間、経済成長と人口増加はエネルギー強度の改善による排出削減を凌駕し、他のエネルギー源と比べて石炭の使用量が増加したことにより、世界のエネルギー供給が徐々に低炭素化していく傾向は逆転した。

 

・追加的な緩和策のないベースラインシナリオでは、2100年における世界平均地上気温が、産業 革命前の水準と比べ3.7~4.8度上昇する。

 

COP19に関しては、

 

2013年ポーランドで開催されたCOP19では、2020年からの削減目標などは、各国が自主的に決める、2020年からの、すべての国が参加する温暖化対策の段取りをつける、そして台風で多くの死者を出したフィリピンの代表が、温暖化対策の必要性を涙ながらに訴え温暖化に対処しつつも、被害に見舞われた途上国などを、国際的にどう支援するかについて議論がなされました。

 

2012年末までの「京都議定書」方式は、EUや日本など先進国の一部に、温室効果ガス削減を義務付け、実行できないときは罰則規定を設けるなど、強制力があるものでしたが、EUや日本など、参加国のCO2全排出量は、世界全体のわずか26%しかなく削減義務を免れたアメリカと中国を合わせた数値は40%以上もあります。地球温暖化を食い止めるには、すべての国による体制が必要です。しかし、罰則のある厳しい方式では、全ての国の参加が難しいため削減量は「自主的に決める」とされました。

 

日本がCOP19で出した削減目標は3.8%減(05年比)という数字です。民主党政権の時には25%減(90年比)という数字を発表しましたが、その後、原発事故が起き、将来のエネルギー計画も不明確なため国際交渉上、数字を宙ぶらりんにすることもできないため、原発の稼働がゼロの現状をもとに算出した「暫定的な数字」を出しています。

 

2014年の第20回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP20)はペールーで開催されます。