再築という言葉…

P263 21行目 に再築という言葉を記載しています。

古民家を再生する場合、現地でそのまま再生する現地再生=再築と、場所を移動する移築再生、建物の骨組みやは部屋の一部を現地並びに移築先で再生する部分再生と、構造木材の再活用の古材利用の4つのケースがあります。

 

それぞれにメリット、デメリットがありますが、現地再生は再築という名称を普及させたいと思っております。

再築の方法については、4月から新しくスタートさせた伝統再築士と言う資格者の育成を始めています。

 

伝統再築士とは、次世代に引き継ぎたい文化的価値の高い伝統的な日本の住居木造軸組伝統構法建造物「古民家」を残す為の専門の知識を有するものを育成するために一般社団法人住まい教育推進協会が認定する資格制度で、

 

木造軸組の伝統構法建造物を既存不適格状態での維持管理の為の情報提供並びに改修提案、同建造物の簡易耐震診断をおこなえる知識の習得を目的としています。    

 

具体的業務内容としては、

1、再築基準検討委員会(委員長 大橋好光 東京都市大学工学部建築学科教授)の指針に基づき、築50年以上を経過した古民家等の木造軸組伝統構法の建造物の現地での模様替え並びに現地での過半の主要構造部の修繕、模様替えを行なう際に既存不適格状態のまま、木造軸組構法が持つ復元力を高める方法で独自の建物の性能を表示し情報を開示して改修に関する方向性を示し、改修を提案すること。

 

2、建築基準法に定められた耐震性能を検証するための計算方法に寄らない文化庁の簡易耐震診断法を利用伝統構法住宅の簡易耐震診断をおこなうこと。

 

を目的としています。4月10日東京会場で90名、6月21日大阪会場で50名の資格者を排出し、古民家鑑定士の皆様がおこなった古民家鑑定書に基づいて改修の方法を提案できる設計士を増やして参ります。

 

再築において現在の主流としては、在来工法の混構造になった建物が多いので、壁量計算に基づいて在来工法として耐震強度を持たす方法と、混構造の在来部分を解体し、伝統構法部分のみの状態に戻して再生する=減築の2パターンが主流かと思います。このなかで減築した伝統構法の耐震の方法を提案するのが伝統再築士に与えられた使命です。

 

 

皆様と伝統再築士が協力をして地域の古民家を残していって頂ける持続可能な建築社会を築いて行きたいと願っています!