玉石独立基礎の補修の仕方

伝統構法住宅の場合基礎は玉石を使った独立基礎になっています。再生を検討する場合にはそれぞれの基礎が沈下していないか、柱と石の光付け部分に隙間が出ていないかなどを調査しまた玉石と柱に隙間があり挟みもの(パッキン)などが付けられているか等も確認が必要です。

また建物の傾きが起こる原因として大黒柱など特定の柱の沈下による場合と、一部分の軟弱地盤による周辺部分全体の沈下があり、原因を特定し対応する事が必要。軟弱地盤による沈下の場合には土間コンクリートなどを打設し、床下全体に荷重を分散させるように施工しなければなりません。

ベタ基礎などを施工する場合には全体をジャッキアップするか、柱の根元を切り上げ「敷き土台」などを回して施工します。

玉石基礎の周囲にコンクリートを打設する場合その目的はひとつは沈下防止ですが、もうひとつ大事な目的は横揺れ地震時における柱の脱落防止の目的です。特に大黒柱は荷重の中心にある為、大黒柱が玉石から脱落すれば建物の倒壊の危険性が高くなります。

柱の周辺部分に地震の際に柱が動ける範囲、柱側面より最低100mm程度のコンクリートの打設をおこない、また足下が腐朽している場合切り上げて玉石基礎はそのままにコンクリートをかぶせるように嵩上げして施工します。


良くする間違いとしては束や柱の根元をコンクリートで固めてしまうケース。木部が腐ってしまいますのでこれは絶対に避けなければなりません。