古民家の残存数

5年に一度国の住宅とそこに居住する世帯の居住状況、世帯の保有する土地等の実態を把握し、その現状と推移を明らかにし、住生活基本法に基づいて作成される住生活基本計画、土地利用計画などの諸施策の企画、立案、評価等の基礎資料として利用する総務省統計局の住宅・土地統計調査が昨年実施され7月29日に速報集計結果が発表されました。皆様がお持ちの古民家解體新書は前回平成20年の調査結果を記載していますの、それの最新データーが確認できるという事です。


調査データの集計は10年単位でおこなわれているため、古民家に該当する部分は昭和25年以前に建てられた建物と、昭和25年から昭和35年に建てられた建物の合計で、厳密に言えば今から50年前は昭和39年になりますので、4年間分は加算できませんが


全体の数字で見ると、昭和25年以前に建築された防火構造でない一戸建ての木造住宅(伝統構法と考えられる住宅と、昭和26年から35年の間に建築された防火構造でない一戸建ての木造住宅(在来工法と考えられる)住宅の総数は平成20年度211万棟あったものが平成25年調査では176万棟に減少しています。

減少傾向に歯止めがかからないのは残念な事ですが、データを伝統構法と在来工法で分けてその減少率を見てみると、


昭和26年から35年の間に建築された防火構造でない一戸建ての木造住宅(在来工法と考えられる)建物は 704,900棟から546,700棟で減少率22%に対して、


昭和25年以前に建築された防火構造でない一戸建ての木造住宅(伝統構法と考えられる住宅)建物は

1,409,900棟から1,215,600 棟で減少率14%でした。


つまり質のいい伝統構法住宅は解体されずに残されており伝統構法の耐久性や、質の良さが改めて実証されたので無いかと思います。ただこれ以上解体されていくと大切な日本の住文化そのものの喪失にもなると思います。


解体を止めれなくてもスピードを緩める為に本気で取り組まなければならない時期に来ていると思います。