式台、長式台、上がり框

玄関や土間などにある「式台」、「長式台(ながしきだい)」と「上がり框(かまち)」について


式台とは、玄関の土間と床の段差が大きい場合に設置される板のことで、名前の由来は武家屋敷にて、来客者が地面に降りることなく、かごに乗れるように設けられた板の間からきている。式台は身分の高い人の公式の出入口で、一般の農家には無い。式台は一枚の無垢板で作られたものが多く材木としての価値も高い。


農家の土間でよく見る土間から座敷きにあがる部分に設けられた土間から1段高くなった板貼り部分は長式台という。長式台も一枚の無垢板が使われているものと、副数枚の板が張られたものがあり、式台に比べて奥行きが短く、下部に建具が付いて床下が観察出来るようになっているものが多い。


上がり框とは段差のある部分の高い方の床に取り付けられる横木のことで、土間と座敷の間などに使用される。上がり框は、玄関を入ってすぐ目につくため、ケヤキやマツなどの木目の美しい材が使われる。

上がり框は古民家には大体あり、長式台がない場合は差し鴨居と同じ程度の高さのあるものなども使われている。武家屋敷の上がり框の場合は建具溝の掘られていないものが多く、農家住宅の場合には建具溝が掘られた敷居と兼用の上がり框が多い。


座敷きの床の間にある畳部分より1段高い床の間の横木は「床框(とこかまち)」と呼ぶ。

床の間の床框は上がり框より高さが低いが変わりにより美しい木目の材が使われる。



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