八の十 近隣環境の調査項目について


P517 近隣調査の項目は快適な生活を過ごす上では重要な調査項目です。建物や敷地などのハード面に目が行きがちで近隣の調査がおざなりになりがちですが、家は簡単に建っている場所を返れませんので近隣の環境についても充分と調査を行ってください。


近隣環境の調査はまずハザードマップが公開されているかを調査します。ハザードマップについては、国がある一定の指針を公開していて、各市町村がそれに沿って準備するものとなっています。たとえば、洪水ハザードマップについては、国道交通省が「洪水ハザードマップ作成の手引き」を公開しており、それを参考に市町村が独自のものを作成し、公開しています。各市町村に確認するか、国土交通省ハザードマップポータルサイトなどでも確認出来ます。公開されている場合の予測される被害については、洪水内水高潮津波土砂災害火山液状化などの項目で危険性が示されています。


P518 近隣に崖などの危険箇所がある。近隣の範囲は概ね小学生低学年の子どもが出歩く範囲ぐらいの距離の調査でいいかと思います。小学校の配置の基準を見ると、小学校の徒歩通学の適正な距離は約3kmとされてますが、ここ迄広範囲出なく半径500m程度の調査で充分です。この調査項目の意図は子どもの屋外での安全の確保と、建物の不同沈下や地滑りの可能性の確認です。


P520 給水管、配水管に異常が発生している。給水管の水圧に異常がある。給水や排水などの水に関する配管設備は床下や地面などの見えない部分に布設されています。距離も長く、これらにトラブルが有る場合には交換や修理の費用がかかりますので注意して調べてください。漏水等を調べる方法は簡単で、家中の水道等が閉まっている事を確認して、水道メーターを見ます。水道メーターにある小さなコマが回っていなければ一安心ですが、コマが回転している場合にはどこからか漏水している可能性があると言う事です。他はいきなり水道料金が高くなったり、基礎のコンクリートの立ち上がりや床下等が常に濡れていたりする場合も壁の中の配管等に原因を抱えていたりします。漏水等を放置すると湿気が高くなりシロアリなどの虫害の原因となります。


P520 電気容量や配線に異常がある可能性がある。電気屋さんに調べてもらうのが確実ですが、例えば明らかに分電盤が古くて、ブレーカーの数がすくない。コンセントの数が少なくタコ足配線になっているなどを見れば問題を抱えていると判断できます。また配線等を触ってみて熱を持っている場合等は火災の可能性がありますので早急に対応が必要です。またコンセントへの差し込みが甘く、コードの金属部分が見えている場合等そこに湿気やホコリが溜まったり、何かが触れるとショートをおこし火災を起こす可能性があります(トラッキング)目に見える場所のコンセントは気を付ける人が多いのですが、冷蔵庫や洗濯機、テレビ等コンセントを見えない場所で指しぱなしにしているものも注意して見ておく方が安心です。