八の十六 予防保全の調査項目について


P579 予防保全項目は今後のメンテナンスのスケジュールを立てるのに重要な確認項目です。基本的には古民家鑑定士が主観で判断しますが、ガイドラインが書かれていますので参考にしてください。


基礎及び土台は至急補修の必要がある。

基礎及び土台は5年程度は使用可能である。

基礎及び土台は10年程度は使用可能である。

基礎及び土台は30年程度は一部補修で使用可能である。

 

基礎は木部の腐朽や在来構法でコンクリート基礎が有る場合にはクラックや爆裂の状態ですぐさまメンテナンスが必要な状態か、5年程度、10年程度は使用可能かを古民家鑑定士の主観にて判定をします。


大幅な構造体の補強が必要である。

構造体の一部に問題を抱えている。

構造体の一部補強が必要である。

構造には特に問題がない。

 

構造体の判定は非常に難しい物であるが、現状の状態を見て主観で判定する必要がある。具体的にガイドラインを示すとすれば、

 

大幅な構造体の補強が必要である。→増改築などで柱が抜かれ補強がされていなかったり、雨漏りなどやシロアリなどの加害により仕口などの接合部が外れている場所などが複数箇所ある場合はこれに該当します。

 

構造体の一部に問題を抱えている。→上記の現象が1カ所程度有る場合に該当

構造体の一部補強が必要である。→柱の根元が腐朽などに損失している場合など根継ぎなどが必要な箇所が見受けられる場合などが該当する(腐朽状態もあまりにも多かったり、床の上で静かに飛び跳ねて建物全体が揺れる場合などは大幅な構造体の補強にチェックします)

 

屋根は一部補修が必要である。

瓦や茅などの屋根仕上げ材の一部にズレや破損があるが、雨漏りはしていない状態。


屋根は早急に改修する必要がある。

現状雨漏りが発生している場合か下地などが波打っており雨漏りが近いうちに確実に起こる可能性がある場合。


屋根は10年程度は使用可能である。

雨漏りも無く最近葺き替えなどをおこない綺麗な状態


外壁は一部補修が必要である。

外壁の一部に破損や仕上げ材の脱落、あるいは仕上げ材の退色などが一部分発生している状態。

 

外壁は早急に改修する必要がある。

外壁の半分以上の面積で破損や脱落、退色やサビなどが発生している状態か雨漏りが発生している状態。

 

外壁は10年程度は使用可能である。

雨漏りも無く、補修の必要も無い状態か、最近5年以内ぐらいに改修を行っている場合。

 

水回りは一部補修が必要である。

トイレやお風呂など一カ所が使用出来ないか使用に関して困難がある場合か、タイルの脱落や器具の作動不良などがある場合。


水回りは早急に改修する必要が有る。

通常の使用方法で使えない設備が二つ以上ある(お風呂とトイレなど)。

 

水回りは10年程度は使用可能である。

キッチンの建具の立て付け調整ぐらいは必要だが概ね使用できる場合。

 

内部は一部補修が必要である。

壁の塗り替え、クロスの張り替えや建具の調整など一部改修が必要な場合でほとんどの物件はこれに該当する。


内部は早急に補修が必要である。

一部屋でも、天井の一部が落ちていたり、落ちそうである。壁の一部に下地が見えている部分がある。床の沈み込みが激しいなど生活は出来るが不便や安全性に問題がでそうな場合が該当する。


内部は10年程度は使用可能である。

畳の表替え程度で使用できる場合などが基準となります。