弐の七 森林破壊の問題


P92 世界的な森林面積の減少は過剰伐採などがその要因だが、世界有数の森林国である日本では森林蓄積量は増加している。しかし木材自給率が低くその原因は急増する需要に合わせておこなった輸入木材の自由化が原因。この為に日本の林業は衰退してしまった。


P93 日本は世界有数の森林国です。国土の約68.5%を森林が占め、これは約72.9%のフィンランド、68.7%のスウェーデンに続いて世界第3位だそうです。世界の平均は約31%、森林大国として名高いカナダは34.1%程度で、環境先進国のドイツは31.8%、イギリスは12%ほどしかないそうです。欧米諸国に森林面積が少ない理由は、元来2000年ほど昔のヨーロッパは森林に覆われた土地だったようですが、約1000年の間に農耕や牧畜、都市の建設などで多くの森林が伐採され、雨が少なく寒い環境により森林の再生には時間がかかり森林の面積が減少したそうで、そのために住居についても木造では無く、石造りの住宅文化が発達したと言われています。


P94 日本の森林は木材生産の為の人工林が約40%、里山として薪を調達する為に利用されてきた天然林が40%、そして残り20%が原生林です。日本の人工林の歴史は戦時中に無くなった森林資源を再生すべく戦後高経済度成長に合わせ杉などの造林を積極的に行いましたが、急増する需要に合わせて昭和32年から39年頃にかけて輸入木材の自由化が行われ安い輸入材が大量に入って来た事で日本の林業は衰退しました。現在日本の木材自給率は平成21年度で27.8%まで落ち込み、木材需要の多くは輸入に頼っています。


木造住宅は国交省「住宅着工統計」によると2011年時では全体の55.7%が木造住宅を選択されています。また、現存する戸建住宅の93%が木造でこれは、近年増加傾向にあるようです。「安全」「健康」「経済性」などいろいろな魅力がある日本の木の家を見直す人が増えているのも確か、しかしこのままでは輸入された木材で建てられる家が増えていくと考えてしまうのは私だけでしょうか。身近にある日本の木を使えば、地域活性化と共に無駄な輸送による二酸化炭素排出も減らせます。