弐の九 産業廃棄物問題


P100 ゴミは廃棄物(はいきぶつ)と呼ばれ、大きく二つに分類されます。

 

家庭から出る「生活系ゴミ」やオフィスや飲食店などから出る「事業系ゴミ」と「し尿・生活雑排水」などを合わせた「一般廃棄物」(いっぱんはいきぶつ)と、

 

工場や建設現場、農業施設などから出る「産業廃棄物」(さんぎょうはいきぶつ)産廃(さんぱい)に分類され古民家を解体した際に出るゴミは産業廃棄物として処理されます。

 

産業廃棄物とは製品の製造などの事業活動によって工場などから排出される廃棄物のことで、その性状によって燃え殻、汚泥、廃油、廃プラスチック、金属くずなど20種類が指定されています。また、産業廃棄物は、排出した者が責任をもって処理することとされており、自らが処理を行うか、都道府県知事などの許可を受けた産業廃棄物処理業者に委託して処理を行うこととなっている。

 

処理の流れは、


排出された場所から処理する場所へ運ぶ「収集運搬」


大きな廃棄物は小さく、有害な廃棄物は無害化処理を行う「中間処理」


「最終処分」の3つの過程からなります。


ゴミの排出を抑えるかは、資源の有効利用の上からも、最終処分場確保の意味でも重要な課題であるため、政府は平成12年12月6日に制定した「循環型社会形成推進基本法」を制定しました。


この法律の目的は、平成5年に制定された環境保全について定められた環境基本法の基本理念にのっとり、循環型社会の形成について、基本原則を定め、並びに国、地方公共団体、事業者及び国民の責務を明らかにするとともに、循環型社会形成推進基本計画の策定その他循環型社会の形成に関する施策の基本となる事項を定めることにより、循環型社会の形成に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって現在及び将来の国民の健康で文化的な生活の確保に寄与することを目的とする。と第一条でうたわれ、

 

廃棄物の発生抑制(リデュース=Reduce)、

 

使用済み製品などの適正な再利用(リユース=Reuse)、

 

そして最終的な資源再生(リサイクル=Recycle)の3Rを重要施策として盛り込みました。

 

そして3Rの中でも廃棄物の発生抑制(リデュース)を優先課題としています。また、リサイクルを推進するために、「容器包装リサイクル法」「家電リサイクル法」「建設リサイクル法」(正式名は建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律)「食品リサイクル法」などを次々と制定して、ゴミ問題の解決に向けて動き出しリユースやリサイクルは進んできているもののゴミの排出そのものを抑制するリデュースことはできておらず、依然として課題は多いとおもいます。


筆者はこの3Rの活動を推進する際にはもっとRを加えて4Rや5Rがいいのではないかと考えています。
もうひとつのRとはリファイン(Refinement)です。

 

リファインとは洗練されたという意味を持ち、従来の古民家をできるだけ形を変えずに再生する事をリデュースとするならば、移築や減築など一部形を変えながら再利用するリユース、建物は解体してしまい使用は行わないが、その建物に使われていた木材=古材などを資源として再生させるリサイクルに加え、機能面やデザイン性や質感やセンスをプラスしてより高いレベルでの顧客満足の向上を目指した提案を行うという事である。


そしてもうひとつ日々の生活の中で実践できる事として5つめのRは、リフューズ(Refuse)です。辞書を引くと断る、辞退するという意味です。つまり不必要ないものを買わない、もらわないという事です。

 

不必要なものはいずれゴミとなるからです。例えばスーパーのビニール袋や割り箸、おまけでくれるものなど。とかく無料でもらうものが大好きなのが日本人でしょうか。無料でもらえるものはもらい、時には不要であったとしても断るのが苦手ですから家の中には不要な貰い物があふれてしまいます。

 

環境の為にもそして家の中を片付けてシンプルな生活を行う為には断る事が大切です。

 

リフューズすると言う事は不必要なものは買わない事になり、それは壊れたら直して使う、リペアする、最初から長持ちしそうなものを購入するリデュースにも繋がって行くんだと思います。

 

本当に自分の生活に必要なものかを見極める力を養って行く必要があると思います。