伝統再築士の講習が終了しました。

古民家解體新書の著者の川上です。
昨日は第1回【伝統再築士】の講師をさせて頂きました。次回【伝統再築士】は6月大阪で開催されます。

時代は「古民家」にフォローの風が吹いています。


地域において増加している空き家が適正に管理され、又は状況によっては活 用(売買、賃貸)され若しくは解体される全国的な仕組みの構築を図る観点から、地方公共団体を主体とした多様な主体の連携による地域の空き家の適正管理等に関する相談体制を整備する事業を行おうとする者に対し、または空き家の適正な管理を支援する空き家管理ビジネスを育成・普及する事業を行おうとする者に対し、国がその実施に要する費用の一部を補助するH26年度の空き家管理等基盤強化推進事業(国交省 住宅局)が4月30日締めきりで募集がおこなわれています。

http://h26.akiya-jigyo.jp/entries/

この制度は平成25年度から始まった制度で、昨年度は神奈川県居住支援協議会や愛知県住宅供給公社などと5つの団体が認定されていました。

使用されていない未活用住宅(空き家)と、現時点で居住されている住宅など住める家の在庫の事を住宅ストックといい、国土交通省の資料では平成15年時点の住宅ストックの内の居住者のいない住宅(空き家)の数は既に全国に703万戸あまり(2008年9月 国土交通省 住宅ストック、住宅セーフティネットの現状)あり、セーフティーネットと呼ばれる住宅困窮者向けの施策や、先週のメルマガで紹介した不動産業者を中心とした中古住宅流通活性化の為の協議会などでの中古住宅の品質の担保化事業を進めているものの(https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk4_000020.html)平成20年度時点で全国の総世帯約5000万に対して住宅ストック数が5760万戸と15%の家あまり状態となっています。(平成24年2月 国土交通省中古住宅・リフォームトータルプラン)

これからの日本の人口は減少して行く事は皆さんもご存知の通りで、予想では、西暦3000年に、日本の人口は1,189人になり、大きめの小学校の校舎に全員収容でき、そして、その年新生児は8人しか生まれません。

新築住宅の市場が現象傾向なのは周知の通り、これからは中古住宅も供給過多のもの余り状態になります。その中で皆様が扱う古民家もいいものは流通されますが、状態の良くないもの、管理がされていないものはどんどん残っていきます。

では状態のいい流通可能な古民家とはどんなものなのか。それは管理記録が残された(家歴書)があり、現状の状態がわかっているものとなります。つまり古民家鑑定書のある古民家です。

国の中古住宅の施策の中心は昭和56年以降の新耐震基準を満たしたものですから、古民家はかやの外です。ですから耐震の補助金も昨年度から実施されている長期優良住宅化リフォーム推進事業の補助対象でもありません(この長期優良住宅化リフォーム推進事業は長く使える住宅とするためのリフォーム工事をおこなう事で上限100万円の補助が受けられますが、対象物件はインスペクションを実施する必要があります)でもそれは逆にいい事です。つまり、大手は全て中古住宅においてもこの補助金が出る昭和56年度基準ものに群がります。中古住宅市場を大手が創り、それに対して敵のいない古民家という市場をフィールドの中心にする。明らかに追い風が吹いてきています。