シロアリについて

写真 公益社団法人日本しろあり対策協会より
写真 公益社団法人日本しろあり対策協会より

今日はシロアリについて。シロアリは日本に22種類生息しており、北海道北部以外の全国に生息しているヤマトシロアリと、温暖な地域に生息するイエシロアリが有名ですが、それ以外にもダイコクシロアリ、アメリカカンザイシロアリの4種類が建物に被害を与えます。


ヤマトシロアリは6度前後から活動を始め、12度から30度が最も活発に活動をします。外気温がマイナスになる北海道でも木材の内部に入ることで死にません。巣を作らずに手段で移動を行いながら生活しています。ヤマトシロアリの行動範囲は約10m程度と言われます。


イエシロアリは建物の下や土の中に大きな巣を作り、乾燥した木材に水を運んで湿らせながら食害をしていきます。このため小屋裏まで食害が広がり建物に甚大な被害を与えます。行動範囲は100mにも及びます。


シロアリのお気に入りの場所は暗くて湿った部分で、木材のセルロールなどを分解して餌としています。

床下など以外にも建物の周りに放置された倒木や木片、押入れの新聞紙なども食害を受けます。


シロアリに食べられにくい木材としては、ヒバ、カヤ、紫檀など、ヒノキやスギ、ツガ、カラマツ、クス、ケヤキなどが中程度で、エゾマツ、アカマツ、クロマツ、ベイマツ、ベイツガなどは食害を受けやすい種類です。


シロアリの侵入経路は庭の樹木などから地中を伝って床下から侵入してきます。光を嫌う性格なので蟻道と呼ばれるトンネルを作りコンクリートの基礎などを上がってきます。またコンクリート自身は食害しませんが強力な顎の力で噛み砕いてトンネルを掘ることもできます。同じように金属なども穴を開けてしまいます。


床下から上がってきたシロアリは床下の木材だけでなく、畳なども食害し、イエシロアリなどは柱を伝い小屋組までボロボロにしてしまいます。


シロアリの発見は羽アリを見つけることで被害にあっていることを知ることが多いのですが、羽アリは分巣のために出てくるものであり羽アリが出てきた場合には食害が進んでいる場合が多いです。


シロアリの発生場所は腐朽と同じであり、腐朽がない場合にはシロアリが発生しにくいですので、建物の湿気対策こそがシロアリ予防になります。


シロアリの駆除は食害を受けている部分の木部にドリルで穴を開けて薬剤などを注入しますが、イエシロアリの場合には床下か、庭の土中に巣があるのでその巣ごと駆除する必要があります。ただイエシロアリの巣は100m先の隣の庭にあるかもしれないので巣を見つけることは専門家でも非常に難しいようです。


シロアリ危険チェックリスト

1,雨漏りしている

2,床下が低い、通気が良くない

3,押し入れがカビ臭い

5,家の周囲に川や池、井戸などがある

6,建物の周辺に廃材などが放置している

7,枕木や木製の塀が使われている

8,庭に植木や植物が密集している


シロアリ簡易調査方法

1,建物に柱が下がっている場所や、屋根が波打っていたり、建具の建て付けが悪くなっている場所がないか

2,柱などを木槌などで叩いてみて、「コンコン」と響くような音がする

3,羽アリの死骸などが水回りにある

4,床下の束石や束などに細い土の管のようなものが上に向かって伸びている(蟻道)


アメリカカンザイシロアリは、カンザイ=乾材という言葉通り、湿気が必要ないシロアリです。木材の中に孔道をつくり小集団で生活している。構造部以外にも建具や家具などにも被害が及びます。見つけ方は砂粒ぐらいのベージュの糞が押入れや、天井から落ちてきたりしたら注意が必要です。畳を上げて畳の下で大量に見つかる場合もあります。


キーワード


ヤマトシロアリ

イエシロアリ

アメリカカンザイシロアリ